今週の説教要旨(2017.7.30)

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説教題「 泣き声 」
創世記21章9~21節

100歳のアブラハムと90歳のサラが神様に祝福され、イサクが誕生します。これは奇跡以外のなにものでもありませんでした。しかし、次にサラがしたことは、女奴隷ハガルとその子イシュマエルを追い出すという事でした。ここに人間の罪を見いだすのです。サラが特別悪い人間だったかといえば、その立場に立たされれば誰でも同じような事をするに違いないのです。苦しんだアブラハムは神様の言葉に従い、親子を荒れ野に追い出します。何も頼るものがない荒れ野は、ハガルにとって絶望の地でした。ただ飢え死にしていくのを待つしかありませんでした。
この時、神様は子供の泣き声を「聞かれた」と言われます。人間の罪による絶望の底にいる人間に憐みを御かけになられたのです。ハガルの目が開き、そこにある井戸を見つけました。これは、神様によって新しい命が与えられ、絶望の淵からたちあがることができたということです。このあと、神様に支えられつつ、ハガルはイシュマエルを一人前に育て、民族の祖となりました。このハガルの姿は、罪の底に沈んでいた私たちが、イエス・キリストの十字架と復活によって立ち上がったことを思い起こさせます。そして、神様は今もなお私たちの「泣き声」を聞いていてくださるのです。