今週の説教要旨(2017.10.29)

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説教題「 神の創造と人間 」
マルコによる福音書10章2~12節

「ミシュパート」というヘブル語があります。「裁き」、「正義」、「憐み」などと訳されます。この「ミシュパート」は、神様の創造と深い関係がある言葉です。神様は人間や、自然など被造物を造られましたが、「こうあって欲しい」という一つひとつに神様の思いや願いが込められているのです。こども園の園児がお友達に優しくするのも、いじわるをするのもその子次第ですが、神様はきっと、やさしい振る舞いをして欲しいという願いをこめて、その子を造られたのだと思います。もしその子が、お友達に優しくできれば、「ミシュパート」なのです。「ミシュパート」とは、そのように、神様の思いにまっすぐに立つことができることを言います。
本日の聖書のテキストは、ファリサイ派の人々が、律法の離縁に関する条項を持ち出してイエス様を試そうとする場面です。律法が離縁状を許したのは、もともと人道上の目的があったのですが、人々はそのことを忘れてしまいます。イエス様は仕方なく、神様の創造にまでさかのぼって、人間のあるべき姿を説きます。人間は自分の都合によって、勝手な解釈をしようとしますが、根本に戻ることが大切です。それは、私たちがどのような願いを持って神様に造られているかを祈り求めることです。