今週の説教要旨(2018.1.21)

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説教題「 人を漁る 」
マルコによる福音書1章16~20節

「漁る」と書いて「すなどる」と読みます。文語訳聖書では、イエス言い給う『われに従い来れ、汝等をして人を漁る者とならしめん』とあります。イエス様は宣教活動の初めに4人の漁師を弟子にしたことが記録されていますが、この弟子たちはたいへん大きな役割を担うことになります。パレスチナの片田舎の漁師が、人間の歴史の転換点に立つことになるのです。
「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」(15節)という言葉は、イエス様の使信のすべてを表しています。「神様がこれほどまでにあなたを愛しておられる。」神様の人間に対する慈しみ、憐れみがあふれ、ついにこの世界に神様の支配が完成しようとしているのです。そして、弟子たちはイエス様の生涯の目撃者となり、実際に神様の使信となられたイエス様を伝える役割を担ったのです。彼らは、強くもあり、弱くもあり、謙虚であり、傲慢でもありました。しかし、彼らしかその役割を担うことができませんでした。イエス様は辛抱強く彼らを導き、力づけました。イエス様の処刑後、彼らはがっくりしてしまいましたが、復活したイエス様は彼らにあらわれて、力づけ聖霊を吹きかけました。こうして、初めての教会ができあがりました。そして、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」という使信を人々に伝える共同体となって世界中に広まりました。そして、今日もまた、イエス様は私たちに言われます『われに従い来れ、汝等をして人を漁る者とならしめん』と。聖霊に押し出されて、私たちにしかできない、イエス様の証人としての歩みをいたしましょう。