今週の説教要旨(2018.2.11)

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説教題「 不信 」
マルコによる福音書4章35~41節

日本聖書神学校の教授を務めた後、敬和学園を作られた太田俊雄先生に『歌声は消えず』という著作があります。その本の中で、アメリカを講演旅行で東西南北を走り回ったときに、ハイウェイに、ウサギ、タヌキ、むじな、いたち、スカンク、鹿の死がいがハイウェイに累々と横たわっている光景を目にしたということが書かれていました。感覚がするどく敏捷な動物が、広々とした土地を横切っている道路を走る自動車をよけることができないのか疑問に思ったのだそうです。そして、それらの野生動物は、自動車のライトの光でいったん目がくらむと、すべての感覚がマヒしてしまうからだという結論に達したということです。そして、太田先生は、人間も神様が見えない状態になってしまうことがもっとも悲惨な状態だと言っています。
 「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか」このイエス様の言葉は、私たちに対して発せられた言葉でもあります。イエス様は私たちを強いて、人生の荒海へ漕ぎ出だすようになされます。そして、私たちは弱く、信仰のうすいものですから、ひとたび嵐に出会うと、パニック状態になってしまいます。しかし、私たちの舟には、神であるイエス様が一緒に乗っておられます。私たちを見捨てず、慈しみをもって私たちの舟にともにお乗りになられているのです。このイエス・キリストの御愛に感謝しましょう。そして、私たちが、様々な苦難に出会うとき、ともなってくださっている主をいっときでも忘れることがないよう、祈りつつ歩んでまいりましょう。