今週の説教要旨(2018.4.22)

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説教題「 神様と愛 」
ヨハネの手紙一 4章13~21節

ヨハネの教会には、ひとつの問題が生じていました。それは、グノーシス主義を唱える人が教会に入り込んできたことです。「グノーシス」とは、ギリシャ語で「知識」という意味の言葉です。グノーシスは、霊は正しいもの、肉は悪いものという二元論です。人間の魂が、肉体という牢獄に閉じ込められていると考え、この魂が正しい知識を得て、肉体から解放され、本当の神様のところに挙げられていくことを理想としました。このグノーシスに影響を受けたクリスチャンは、イエス・キリストを、正しい知識を私たちに与える一時的に人間の姿をとった神様と考えました。
ヨハネの教会は、このグノーシス主義者と対抗するために、私たちの立つべき信仰について論じます。そのポイントは
① イエス・キリストは神様でありながら、真の人間となって世に遣わされた。
② このイエス・キリストが私たちを救うためのいけにえになった。
③ このことが神様の愛の唯一のあらわれである。
④ 教会の信仰者は神の霊によって、神様と密接な関係になる(留まる)。
⑤ そのことによって、神様の愛(イエス・キリスト)を知ることができる。
⑥ そして、神様の愛が私たちの内にまっとうされ、兄弟を愛することができる。
 「お互いに愛し合いなさい」というイエス様のご命令ですが、これは信仰が思想や哲学ではなく、実践です。グノーシスの人々は「知識」で救われると考えました。それに対して、ヨハネは言います。―「神を愛している」と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。―と。