今週の説教要旨(2019.1.27)

DSCN0057
説教題「 神殿の崩壊 」
ルカによる福音書21章5~6節

イエス様が弟子達を連れてエルサレムの都に来ました。都にはヘロデ王が46年もかけて改築した豪奢な神殿がありました。特に地方のガリラヤから出てきた人々の目には、大変立派に写ったのでした。するとイエス様が
「あなたがたはこれらの物に見とれているが、ひとつの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」
と、少々興ざめな発言をいたします。ひとつは、神殿は権力の象徴に成り下がってしまい、本当の神様の家にはなっていなかった状況を指摘し、およそ40年後のユダヤ戦争でローマ帝国に破壊されてしまう運命を言っていたのかもしれません。しかし、7節から始まる「終末の徴」の段落や、25節からの「人の子が来る」を読みますと、「終末」とキリストの「再臨」の文脈の中で語っている言葉のようです。
つまり、わたし達人間は、目の前のことに心を奪われてしまいがちでありますが、神様の本当の救いは、キリストを通して永遠の命にあずかることであり、この世では寄留者に過ぎない、ということをおっしゃっているようです。
「キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。 」(エフェソの信徒への手紙2:21)
新約においては、イエス・キリストの信仰を通じて、わたし達が神様の神殿になるというのです。教会は、この世界が終わり、神様のご支配が貫徹されるまで、信仰を守っていく民の共同体として、お互い支え合いつつ歩んでいくものなのです。