今週の説教要旨(2019.3.3)

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説教題「 汝ら食物を與へよ 」
ルカによる福音書9章10~17節

どうして五千人もの人々は、人里離れたところにやってきたのでしょうか。食べ物を求めてやってきたのでしょうか。ところが、そんな荒れ野において食料にありつけることもないことは子どもでもわかります。お腹を満たすだけなら、食べ物のある所へ行ったに違いありません。それでは何のために、そうしたのでしょうか。。それは、イエス様に、食べ物とは異なる特別なものを求めてきたからではないでしょうか。
「人はパンだけで生きるものではない」と、イエス様は言われましたが、その言葉通り、食べ物を食べていれば生きられる生き物ではありません。人は、生理学的な栄養だけではなく、魂の栄養が必要なのです。その大切な栄養素として考えられるのが、人間の「生きる意味」です。それは、神様によって、がかけがえのない人として造られているという確証です。人間はそれがないと生きていけないのです。
 弟子たちは様々な町に派遣された後、福音を告げる働きをして戻ってきた直後にこのエピソードが置かれています。それは、本当に弟子たちが神様の御言葉を伝える働きができるのかどうか試されている場面なのです。その弟子のひとりとして、私たちも、魂の食べ物を配る役割が期待されているのです。