今週の説教要旨(2019. 9. 15)

9月15日花

説教題「 神前関係 」
コリントの信徒への手紙二11章7~15節
 コリントの教会は、Ⅰコリント3:6でパウロが「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神なのです。」と語っているように、パウロの宣教によって始められた教会でした。パウロはローマへの宣教、世界伝道つまり「地の果て」までもキリストの福音を宣べ伝えようという使命をもった伝道者でしたから、ひとところにとどまるところはありませんでした。パウロがコリントの教会を後にしたのちに、アポロなどほかの伝道者がコリント教会に来て教えていたのです。ところが、それら後から来た伝道者たち、教師たちは、パウロが宣べ伝えた福音とかけ離れた「違った福音、異なったキリスト」(11:4)を伝えていたのです。◆今日の聖書では、ついにコリントの信徒たちは彼らになびいてしまっているとパウロは警告して批判しています。彼らこそ「大使徒」(ケファ、ペトロ、キリストの一番弟子)から推薦を受け保証された「キリストの使徒」であり、「光の天使」だと持ち上げてしまっている。そしてパウロの「使徒性」を疑い、自ら高ぶっている。◆なぜ信徒たちは、そうした「偽使徒」「ずる賢い働き手」になびいてパウロを貶めているのでしょうか。パウロは、神の福音を無報酬で告げ知らせて、コリントの信徒たちへの負担を一切かけまいとしました。信徒たちはそれをパウロがどこかの教会からかすめ取っているのだと違和感を持ちました。パウロは「わたしがあなた方を愛していないからだろうか」と訝っています。これらの無理解に対して悲しみをもって語るパウロです。◆偽使徒たちは宣教活動を生活手段としている。信徒たちは彼らのパトロンと化して、お互いに取り入ってなあなあの関係で、耳に心地よい「違った福音、異なったキリスト」を喜んで生活している。そうだ、偽使徒たちは君たちの前で語る。私は神の御前で、君たちを造り上げるために語り生きる。(12:19)◆神の御前でのお付き合い、生活をしましょう。