今週の説教要旨(2019. 10. 13)

10月13日花

説教題「 金持ちと貧者 」
ヤコブの手紙 2章1~13節
 詩編73:25「地上であなたを愛していなければ、天で誰がわたしを助けてくれようか」。交読詩編で共に唱和し、目にして口にした信仰と知恵の言葉、箴言です。
ルカによる福音書16:19~31(新141頁)にイエス様がお語りになった「金持とラザロ」という興味深い説話があります。金持ちの目の前に貧者がいたが、金持ちは貧者に気づかないで貧者は死んでしまったが、アブラハムの懐で慰められ幸せであった。金持ちも死んで炎の中でもだえ苦しみさいなまれていた。目を上げるとアブラハムと共にいて幸せそうな貧者がいて、アブラハムに憐れみを乞うたがもはや遅かった。金持ちは後悔した。生きているうちに、あの目の前の貧者に憐れみを施せばよかった。今からではもう遅い。いや、この死者の中から誰かよみがえってわが兄弟に行って教えてやってほしい。アブラハムは言った、いや、だめだ。彼らには今、モーセと預言者があって教えているではないか。今、彼らがそれに耳を傾けないなら、死者の中から誰がよみがえって教えても、その言うことを聞き入れはしないだろう。
ヤコブの手紙の著者は、教会に今日同じようなことがあってはならない。人を分け隔てすること、殊に貧富、身なりによって人を分け隔てしてはならないと必死に抵抗しています。たとえ世の中はそうであろうと、わたしたちの主イエス・キリストを信じていながら、それではいけませんと必死で抵抗しているのです。
原町教会は、わたしたちの教会、全国の日本基督教団は、今のキリスト教会はどうでしょうか。死人の中からよみがえられたイエス・キリストを目の前にして、わたしたちを贖ってくださった救い主と共にいながら、そんなことはできません。