今週の説教要旨(2017.8.20)

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説教題「 涙を流しながら 」
使徒言行録20章17~35節

パウロは3回目の伝道旅行を終え、エフェソの長老たちを集めました。それは、危険が待っているエルサレムに戻る決意を伝え、教会のすべてのことを長老たちに託すためでした。パウロはもう生きて彼らに会うことはできないとわかっていました。ですから、本日の聖書のテキストは、パウロの告別説教の性格を持っています。 
パウロは苦難の中、アジア州の教会の人々に福音を伝えました。そしてこれから、教会をあずかる長老たち、教会の人々にも苦難が待ち受けているのです。「残忍な狼どもが」教会を攻撃するといいます。また、「あなたがた自身の中からも」教会を分裂させる者が出て来ると予告します。そのような時、
「夜も昼も涙を流して教えて来たことを思い起こして、目を覚ましていなさい。」
と、パウロは言います。パウロはイエス・キリストと出会い、その十字架を背負い伝道しました。その道は険しく、きびしい迫害にあい、弱り切ってしまいました。しかし、そこでキリストと一つとなることができたのです。「行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。」(2コリント12:10)
 これは、私たちにもゆだねられているミッションです。涙なくしては果たすことができない辛い務めですが、この涙は同時に、救いに与る喜びの涙でもあるのです。