今週の説教要旨(2018.9.9)

DSCN0057
説教題「 無駄遣い 」
マルコによる福音書14章1~9節

「香油注ぎ」のエピソードは、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4つの福音書全部で語られています。マルコの特徴のひとつは、イエス様が、「この人はできるかぎりのことをした。」と言うところです。これは先週の箇所「やもめの献金」の女性が、「生活費を全部入れた。」との言葉とよく似ています。香油注ぎの女性は300デナリオンもするという高価な香油を消費したことを人々からとがめられました。いっぽう、貧しいやもめはレプトン銅貨2枚の献金によって、人々のこころに軽蔑の念を抱かせました。
 このふたつのエピソードに共通する点は、人々が信仰上の勝手なものさしをもって、尊い行為をさげすむという点です。イエス様はそのことを鋭く指摘しました。そして香油注ぎの行為は、イエス様の葬りのための油注ぎとして、また、油注ぎを通してメシア(ギリシア語でキリスト)であると言い表した記念すべき行為だったのです。