今週の説教要旨(2019.1.13)

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説教題「 最初の弟子 」
ルカによる福音書5章1~11節

ルカによる福音書の、いわゆる「弟子取り物語」と、そのもととなっているマルコによる福音書の「弟子取り物語」(マルコ1:16-17)を比較すると、ルカの方には、夜通し漁をしても一匹も取れなかったシモンが、イエス様の言うとおりにすると沢山の魚が捕れるという奇跡物語が付加されています。
どうして、ルカの方には奇跡物語が付加されたのでしょうか。ひとつには、シモン・ペトロが弟子になる動機を描く意図があったのかもしれません。ペトロがイエス様を神様と信じ、イエス様に従う理由をそこにあらわしたのでした。しかし、わたし達は往々にして神様に望むことは、「家内安全」「商売繁盛」等々、自分の生活をアシストしてもらうことです。自分が中心であることをけっして譲ることはありません。わたし達ならば、「大漁祈願」を願うところでしょうか。ところが、シモンはイエス様に再度、大漁の奇跡を望むことをすることなく、逆に網を捨て、家族を捨てて従ったということは、驚くべきことです。これは、シモンが、自分中心の生き方から、神様中心の生き方に大転換を果たしたということです。これこそイエス様の起こされた奇跡そのものです。
実はこの「弟子取り物語」は、わたし達にたいする問いかけではないかと思うのです。神様であるイエス様を前にして、自分中心の生き方から、神様中心の生き方に大転換ができるかどうか問われているのでは無いでしょうか。神様の導きにこたえることができますよう祈りつつ歩みましょう。