今週の説教要旨(2019.3.31)

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説教題「 山上の目撃者 」
ルカによる福音書9章28~36節

本日の聖書の記事は「山上の変容」というエピソードです。弟子達がイエス様と一緒に山に登ると、イエス様が神々しく輝き、そこにモーセとエリヤが現れるのです。三人は親しげに話すのですが、モーセとエリヤは言わずもがな旧約聖書を代表する人物です。この二人は、神様の力だけを頼りに、悪い権力者と対決してねじ伏せ、イスラエルの信仰のリーダーとして生涯をまっとうしました。
 それに対してイエス様は、神の子でありながら、無抵抗のまま十字架につけられるのです。これからの道行きを知りながら、そのことを二人にお話しするイエス様でしたが、どうしてそのような苦難を味わうことを受け入れたのでしょうか。それは、悪は一部の人間にあるのではなく、私達すべてが持ち合わせているという真理があるからです。悪者を成敗したら、すべての人が成敗されなければならないでしょう。神様はその憐れみ故に、私達すべてを赦すためにひとり子を世に与えたのでした。
 受難節を、私達が自らの歩みを振り返り、イエス様の十字架の苦難に思いを寄せるときとしたいと思います。