今週の説教要旨(2019. 7. 7)

7月7日花5
説教題「 みんな天使 」
使徒言行録 8章26~39節

 今日の聖書はエチオピアの宦官の回心物語と言われる素晴らしくも不思議なお話です。主イエスの霊=聖霊が天使を遣わしてフィリポに命じ、フィリポは寂しい道を行く宦官のもとに派遣されます。宦官は神を礼拝したくてはるばるエルサレム神殿にまで行きますが満たされないまま帰途にあります。フィリポは不思議な仕方で彼に追いつき、彼の求めに応じて聖書を説き明かし、イエス・キリストの福音を告げ知らせ、そこから救いの物語が展開していきます。エマオの二人の物語とよく似ています。暗い顔をしてエルサレムからエマオへの帰途、キリストはいつの間にか二人に寄り添い同行して聖書を説き明かして福音を告げ知らせたのです。
ちょうど主イエスの代わりの役を、主イエスの霊に命じられたフィリポがしています。彼は主の使い=天使として不思議な仕方で遣わされ、彼を通して主イエスの福音が報じられ、そこで救いが出来事になります。宦官の思いは晴れて心は回復し希望が生まれました。救いがついに彼に来たのです。彼は喜びにあふれて立ち上がり、旅を続けました。フィリポはといえば、主の霊によって見えなくなります。
アフリカからエルサレムに礼拝に行き、それほど神様に心を捕らえられ、聖書を大声で読みながら馬車に乗って帰途に就くエチオピアの高官ですが、エルサレムで味わったのは、大きな疎外感、悲しみではなかったでしょうか。神の名を置くと言われたその所に、主を求めてきたのに、大きな隔ての壁に妨げられます。彼が異邦人であり、ほかにも様々な理由からか、排除された気持ちで一杯になり、途方に暮れて帰途についていた彼に、救いが届いた、幸せの物語です。わたしたちも、喜びにあふれて旅を続けたいものです。私たちの旅はそこで終わりません。幸いをいただいた者は、今度は幸せを届けに遣わされる者になるのです。みんな天使です。