今週の説教要旨(2019. 10. 6)

10月6日説教題

説教題「 信心の戦い 」
テモテへの手紙一 6章2c~12節
 「信仰」と「信心」はもちろん別のものです。聖書ではどちらかだけが大切というのではなく、テモテへの手紙では「信心」を大切にしています。「信仰」を与えられた人間の集まりである教会にさえも、名誉の欲や金銭の欲、様々な欲に支配される、そのようなことが存在するのです。そこで手紙の著者は「信心」を問題にします。
「信心」とは信じる心です。信じる人の心です。イエス・キリストの神を信じる「信仰」を与えられた人の心のありよう。人間の心の(神様への)姿勢です。信仰者の心のありようは外に表れてその人の生き方となります。ですから「信心」は人の数だけ多様です。「信仰」はひとつですが「信心」は様々なのです。
様々な道にははっきり言って善し悪しがあります。中でも「信仰」を与えられた人でも、何らかの欲得に絡み取られた人は、たいへん災いだ、と著者は厳しく注意しています。「信心」つまり、「信じる心」を利得の道と考えていると、真理に背を向け、精神が腐り、破滅へと陥ると教えています。
しかしながら、逆に、「もっとも信心は、満ち足りることを知る者には、大きな利得の道」なのだというのです。大きな利得とはなんでしょう、それは永遠の命を得ることであります。4章7,8節にも「信心は、この世と来るべき世での命を約束するので、すべての点で益となるのです。信心のために自分を鍛えなさい」とあります。そのために、「労苦し、奮闘するのは」「救い主である生ける神に希望を置いているからです」(10節)と続きます。「信心」のために戦うことも大切なのです。
この世の命と来るべき世の命の約束、それこそ永遠の命なのですから。